いつかはカーボンフリー

2020年10月2日 「フォーミュラーワン世界選手権」いわゆるF1に、パワーユニットを供給するサプライヤーとして参戦中のホンダ技研工業が2021年シーズンをもって参戦を終了すると発表した。
この報に、根っからのモタスポファンであるやぎが受けた衝撃は”very big”。

参戦の継続については、当事者であるホンダが決めることであるのだから、外野がともかく言う筋合いではないけど、撤退の理由が消化しきれない。

撤退の理由は「カーボンニュートラル」の実現のため。

「カーボンニュートラル」とは、排出するカーボンと吸収するカーボンを同量にするというもの。

今や環境問題はどの企業も避けては通れない。
ホンダをはじめとした自動車メーカーは、電気自動車(EV)事業への大規模転換を今しておかないといけないという危機感があるのは当然だと思うので、それについてとやかく言うつもりは無い。

だけど、今、自動車がすべてEVになったらどうなるか知ってますかー?
電力の供給が足りなくて、日本全国 計画停電発令になりますよきっと。

電気自動車を充電するのに、どんだけ電力いると思います?
小さな車でも100V/30A、急速充電をしようものなら200V/80Aが必要になる。

一般的な家庭に用意されている電気の容量は単層100Vで60Aから100Aの間くらいと思うので、住宅の数が1.5倍から2倍くらいの消費電力が必要になる。

ちなみに現在の電力の需要と供給を年間の総量で比較すると、2017年度の実績で供給側が10,560億kw、そして消費側は9,369億kw。
供給量に対する消費比率は88.7%。余剰は11.3%しかありませんっ!

だから自動車が全部電気自動車になったとしても、全然充電できません!ごめんなさいっ! こんな感じです(笑)

仮に電気の供給が格段に増えたと考えると、どうやって増やすんですかね?
今現在も、石炭火力発電や天然ガス火力発電が7割位の供給量を支えてくれているんです。
もちろんその分CO2は排出され続けます。

自動車がすべて電気自動車になったとしても、供給する電力の7割が石炭火力発電や天然ガス火力発電に頼っているのなら、カーボンニュートラルなんて実現できっこ無いってことを知っておくべきじゃないのかな?
残念ながらカーボンニュートラルなんてただの理想論に過ぎんのだよ。

人はどうしても片手(一面)の動きにしか興味を持たない。
けれど現実は両手(二面)の動きが伴わないものは実現されることがない。

とはいへ、カーボンニュートラルを目指さないことには問題が解決されることも無い。
いつかははカーボンフリー世界へ。

果たして我々の現世はどこへ向かってくのだろう。危うさばかりのこの現生。事象の裏側にもしっかり目を向けねば。